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横浜地方裁判所 昭和47年(わ)1217号 判決

本店所在地

横浜市中区翁町一丁目六番一二

商号

株式会社 アメロイド日本サービス社

代表者

右代表取締役 中里幸次

代表者住居

神奈川県川崎市高津区下作延三九五番地一六

本籍

神奈川県川崎市高津区下作延三九五番地一六

住居

右に同じ

会社役員

中里幸次

明治四〇年六月一七日生

右のものらに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官江川功出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告株式会社アメロイド日本サービス社を罰金一三五〇万円に、被告人中里幸次を罰金三〇〇万円に処する。

被告人中里幸次が右罰金を完納することができないときは、金一〇、〇〇〇円を一日に換算した期間、同被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、横浜市中区翁町一丁目六番一二に本店をおき、船舶用化学薬品および船舶用機器の販売を目的とする資本金七五〇万円の株式会社で、被告人中里幸次は、被告会社の代表取締役として同会社の業務一切を統括しているものであるが、被告人中里幸次は、被告人会社の右業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の割戻金を計上する等の不正な方法により所得を秘匿し

第一、被告会社の昭和四三年七月一日から昭和四四年六月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際の所得金額は六五四〇万五三二七円でこれに対する法人税額二二六二万一九〇〇円であるのに、昭和四四年八月三〇日、横浜市中区野毛町三丁目一〇一番地所轄横浜中税務署において、同署長に対し、右事業年度の所得金額は三九二万五八七八円でこれに対する法人税額は一一一万八四〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額二二六二万一九〇〇円と右申告税額との差額二一五〇万三五〇〇円をほ脱し

第二、被告会社の昭和四四年七月一日から昭和四五年六月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際の所得金額は七一〇五万三一三四円でこれに対する法人税額は二五七七万〇六〇〇円であるのに昭和四五年八月二九日、前記横浜中税務署において、同署長に対し、同事業年度の所得金額は一〇四三万一二五五円でこれに対する法人税額は三四九万九八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額二五七七万〇六〇〇円と右申告税額との差額二二二七万〇八〇〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人の当行延における供述

一、被告人作成の昭和四七年一二月一二日付上申書(六項(一)および(三)を除く)

一、被告人作成の上申告書六通

一、被告人の大蔵事務官に対する供述調書一六通

一、被告人の検察官に対する供述調書二通

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書二通

一、大蔵事務官作成の法人税額計算書二通

一、大蔵事務官作成の銀行調査書二通

一、城下栄三郎、梶原正治、山下修作成の各証明書

一、亘理国郎作成の証明書三通

一、大蔵事務官作成の調査書

一、大蔵事務官作成のドリユー社勘定調査書および社長貸借調査書

一、高沢義衛作成の上申書二通

一、北山正雄作成の上申書

一、北山正雄の大蔵事務官に対する供述調書二通

一、今井一郎作成の上申書

一、今井一郎の大蔵事務官(二通)および検察官に対する各供述調書

一、小谷忠雄作成の上申書二通

一、小谷忠雄の大蔵事務官および検察官に対する各供述調書

一、高橋岩雄の大蔵事務官および検察官に対する各供述調書

一、佐野米子の大蔵事務官に対する各供述調書

一、小林富士男作成の上申書

一、上月為晴の大蔵事務官に対する供述調書

一、辻真一郎、名塚三郎、浅田充男、山一証券株式会社作成の各証明書

一、大蔵事務官作成の未収入金等調査書、株式資金調査書および調査書((株)アメロイド日本サービス社の修正申告書)

一、押収の総勘定元帳一綴、元帳二冊、元帳一綴、金銭出納帳一綴、金銭出納帳三冊、振替伝票控二袋、振替伝票控三綴、銀行勘定帳一綴、銀行勘定帳一四冊、損益勘定帳一綴、元帳(損益金)二冊、元帳(補助簿)一冊、メモ帳一綴、経理部一般事項関係二冊、手形、小切手類受渡簿一冊、ドリユー新契約一袋、代理店関係及ストツク関係一冊、ドリユー請求台帳一冊、化学品課業務帳一冊、外国船機関長へ払つたコミツシヨンの請求簿一冊、輸送及配送関係書類一冊、金銭出納帳二冊、手帳一袋、売上帳二綴、仕入帳二綴、立替運賃記入帳一綴、手帳一冊、ドリユー社計算書二袋、ドリユー社計算明細書三袋、ドリユー社計算明細書一綴、アメロイドへの発行小切手一覧表一袋、米ドル小切手写綴一綴、銀行勘定帳一綴、法人税申告書綴一綴、上申書等一袋(昭和四七年押第四四五号の一ないし四二)

(法令の適用)

判示各所為につき

法人税法第一五九条第一項、刑法第六条、第一〇条により昭和四七年法律第六一号による改正前の罰金等臨時措置法第二条、罰金刑を選択。

被告会社については

法人税法第一六四条、第一五九条第一項、第二項

罰金額の合算につき

刑法第四五条前段、第四八条第二項。

被告人中里に対する労役場の留置につき

同法第一八条。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 高井清次)

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